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がんばれルーキー

SANY1375.JPG「がんばれルーキー」は、NHKが新学期シーズンに毎年おこなっているキャンペーンです。都会などで独り暮らしをはじめる学生さんにむけての、応援メッセージ。それと「NHK受信料の支払いプラン」のお知らせをします。以前は、学生でも世帯主としてはらっていた受信料が、いまはなんと半額!

今日のロケ地は、オープン間近の東京工科大学・蒲田新キャンパスです。まだ出来たてでぴかぴかの「学生ラウンジ」や12階の「空中庭園」で撮影が進みました。元気な「Juliet」さんが、さわやかな「女子大生一年生」を演じていました。

うららかな春の陽気となった今日は、絶好の撮影日和で、どんな映像に仕上がるのか楽しみです。NHK各チャンネルでの放送は、3月20日から。27日からは、山手線、中央線の「トレイン・チャンネル」でも上映されます。
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今回の撮影に立ち会って、撮影機材の構成を見た感想を書きます。最近のテレビドラマを見ると(特にNHKの「龍馬伝」や「坂の上の雲」など)まるで映画のように、シャープで高級感のある映像が目立ってきています。これは、やはりデジタル技術の進歩によるところが大きいと思います。かつては「フィルムとレンズ」という、あくまで「光学系」のプロにしか扱えなかった映像手法が身近になっているのです。

今日の撮影を見ても、やはり、いろいろな面でデジタル化が進んでいることが分かります。まず撮影用カメラを見てみます。上の映像を見て下さい。監督がのぞき込んでいるモニターのは、ソニーのデジタルシネマカメラ「F35」です。その名前の通り、35ミリフィルムに相当した性能の単板CCDを搭載しています。つまり35mmフィルムと同じ。いや、それよりももっといろいろな「フィルムルック」を探求できそうですね。「 HD RGB 4:4:4」 フォーマットで録画できます。そしてもちろん、レンズセット(下の写真・上段)も、フィルムカメラ用をそのまま使うことが出来るのです。だから、特にCMや映画の撮影で威力を発揮するのでしょう。

スクリーンショット(2012-01-07 17.34.20).png音声さんが使っていた、レコーダーも、機種名は分かりませんでしたが、なんだか扱いやすそうなデジタルレコーダーでしたね。(左写真・中段)第一に、テープの巻き戻しがいらないのがいいです。そして、録音した音声データにインデックスがつけられるのが重要。後で編集するときには、現場での記録と整理がものをいいます。

また、テーブルの上をみると、なにげなくこんなものがありました。バンクーバー・オリンピックでも活躍したパナソニックのポータブル・レコーダー「P2HD AJ-HPM200」です。(写真左・下段)カメラ本体のレコーダーに録画すると同時に、これにも取り込むのです。バックアップにもなるし、現場での映像確認が、ディレクターの手元のレコーダーで出来るのが大きいですね。ものすごい効率化です、これは。

以前だと、これは、ビデオテープに収録を担当している、VE(ビデオ・エンジニア)さんが、専門でレコーダーにつきっきりでテープを管理してました。1テイク終わる度に、キュルキュルキュルっと巻き戻しては「はい、再生しまぁーす」「チェックOK~」なんてやってた作業。結構こわいんですよこれが。だって巻き戻しの途中で、テープに傷がつくかもしれないし、間違ったポイントから録画するリスクもあったし。こうしたことも、もう過去のことなのですね。

デジタルデータでの撮影で一点気をつけなければならないのは、撮影後のデータ管理ですね。テープと違って、存在自体は目に見えない映像データ。間違って消したり、どこへやったのか分からなくならないように、スタッフ同士でしっかり確認しておくことが重要だそうです。このへんは、意識の持ちようの問題です。以前から「フィルム」や「テープ」の重要さを、思いっきりたたき込まれた世代は大丈夫でしょう。しかしこれから現場にはいる、ADさんたちにも、これをしっかり理解していただかないと危険ですね。なにしろ、デジタルデータは「一瞬ですべてを消せる」ものですから。

このように、映画やテレビの撮影現場は、これからもどんどんデジタル化が進みそうです。便利で効率的になるけれど、ちょっとあぶない落とし穴もありそう。おそらく撮影の手法や、スタッフィングのありかたも、試行錯誤を続けながら、いつかものすごく変わっていくのでしょう。でも今日は「やっぱし変わらないところは、変わらないなぁ〜」というところも発見しましたよ。

太陽と追いかけっこをして、レフ板を立てたり調整したり。音声さんがたびたび「バイクきましたぁ〜すいません〜」とか「ヒコウキきました〜ちょっと待って下さ〜い」などとやっているのは、ホント変わらないなぁ、と思いました。太陽追尾式・全自動レフ版とか、セリフ波数セパレーター(役者の声だけを録音する)みたいな、超ハイテク武器は、まだ登場していないようでした。少しホッとしたのです。