Tensai Terebi-Kun: Virtual Reality Computer Graphics works


天才てれびくん

NHKではいわゆる「ヴァーチャル・リアリティ」技術を応用した番組が多数あるが、「天才てれびくん」はその中でも最も早い時期に、しかも生放送も含めたきわめて実験的な制作方式にチャレンジしたものである。放送開始当時は、使用するCGシステムも完全な3次元レンダリング方式ではなく、NHKの独自開発であった「シンセビジョン」というものであった。「シンセビジョン」はハイビジョン画像の解像度を利用した一種の画像合成装置であるが、モーションキャプチュアセンサー付きのカメラとの連動によって、画像背景が自動的カメラの動きに追随するというものであった。NHKの制作現場でよく使われた用語でいうと、一種の「電子紙芝居」的な装置にちかいものであった。


このシステムはその後、リアルタイム3次元システムとしてバージョンアップされ、「バーチャル・セット」あるいは「バーチャル・スタジオ」という呼び名で呼ばれるようになり、NHK内では語学番組や科学番組などで、頻繁に使用されるようになり、NHKの一般スタジオと同様に運用されるようになった。「天才てれびくん」では、その後も、このバーチャルシステムに、フットセンサーや2次元画像の組み込みなどの実験を繰り返し、非常に複雑な中でも、効果的で子供たちに驚きを与える映像制作を続けている。