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ベルさんとティムさんのおかげ

Tim_Berners-Lee.jpg古い新聞の束を整理していたら、小さな紙片がぽろりと落ちた。2002年に日本国際賞を受賞した、ティム・バーナーズ・リーさんに関する日経新聞だ。当時で46歳という若さで(今年で54歳)この切り抜きにあった、ティムさんの横顔の写真は、ユアン・マクレガーのようなかなかハンサムな好青年っていう感じだ。

ティムさんは、なんとこの若さでもって「WWW(ワールド・ワイド・ウェッブ)の父」という称号を持つ大変な方だ。大袈裟に言い立てると、16世紀に活版印刷を発明した、かのグーテンベルグと並び称されるべきお方である。

「特許を申請していたら、こうは広がらなかった」と彼自身が言うように、ロバート・カイリューとともに開発した、WWWのハイパーテキストシステムは、URL、HTTP、HTML の最初の設計とともに、はじめからすべて無料公開された。この時のティムさんたちの大英断のおかげで、私たちは、ネットでなんでも出来るようになった。映画チケットの予約、天気予報のチェック、友達の日記の購読、すべてティムさんのおかげというわけだ。

WWWの構想は、彼が1990年に、欧州合同原子核研究所( CERN - あのスポーツスタジアムみたいにでっかい電子加速装置があるところ!)に在籍中に、研究者仲間の情報を共有するために考えついたもの。予算もつかず、最初は誰も理解してくなかったとは、今では信じがたい話だ。だけど、おかげで僕たちはいま、ティムの構想のとおり、たくさんの情報を共有できる社会を手にしたということ。めでたしめでたし。

( photo by  Uldis Bojārs )
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Alexander_Graham_Bell.jpg「電話」を使って遠くに離れた家族や知人と話をする。これほど楽しく嬉しいことはない。人間とはひとりで活きていくことは出来ない、社会的生物なのだし、そのコミュニケーションの大半は「会話」によって成り立っている。

だから「電話」というものは、いつまでもどこまでも発展を続ける。より遠くまで、より鮮明に「会話」を届けるために、「電話」という技術は成長を続けるに違いない。僕の生きている間にはあり得ないだろうが、火星に住んでいる孫からおじいちゃんへ「お誕生日おめでとう」の声が届くという日も、いつかは実現することだろう。

2010年のいま、ついに若者たちはiPhoneとskypeの組み合わせで、無料で話せる電話を作り出してしてしまった。自主的無料化。これは電気通信事業法から見れば違法なのかもしれない。でも総務省や電話会社にも、ちょっと負い目がありますよね。「WiFiによるデータ通信」と「電話による通話」が、見ようによっては同じひとつの技術にくくられるということを知りながら、なんら手を打ってこれなかったのだから。壊すことが出来ると知られた「ベルリンの壁」はいつか破壊される。

もともと、電話がこの世にあるのは、グラハム・ベルさんのおかげ。ベルさんは、電話を発明はしたが、別に電話の専門家じゃない。おじいさんの代から続く、聾学校の先生をやっていて、「ろうあ」の子供達に、一生懸命「会話」を教えているうちに思いついたのが電話なのだ。距離で離れている人にも、身体の障害によって離れている人にも、会話の楽しみを与えたい。それがベルさんの望みだったのだ。だから、現代おける電話の発達と無償化(少なくとも通話料が安くなること)について、最初に特許を取得したベルさん本人も、喜んでいるのではないだろうか。

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このYoutubeの映像は「今年99歳になるバージニアさんが、はじめて自分のコンピュータ(iPad)を買いました 」というものです。(本日5月1日時点で、試聴回数は485,884回)

重たい本を、本棚から取り出す必要もなく、小さな文字も拡大して読める。キーボードもまるごと膝の上。あっという間に、使い方をマスターして、新しいコンピュータの世界に没頭する、バージニアさんを前に、親戚のみなさんが驚いていますね。iPadは、僕たちが想像している以上に凄いものなのかも知れない。

ベルさんが発明した電話によって、遠くの人との会話ができるようになり、ティムさんの生み出したWWWによって、文字や映像が電話線をつたわって届くようになった。iPadの役割とは、こうした素晴らしい発明品の財産を、さらに多くの人に分け与えるということなのかも。これまでコンピュータやインターネットの恩恵から取り残されてきた方達に、まったく違った助けや喜びを与えてくれる、そういう素晴らしいものになるのだといいですね。