チェンジズ
3月11日以来、世界はすっかり変わってしまい、僕たちの生活のありようを変えてしまい、言葉の価値までが変わってしまった。茂木健一郎さんが書いているけど、脳回路の輪番停電になってしまったようだった。もう、二度とかつてのような価値観で、ものを考えることはできない。
僕たちの世界はすべてが変わってしまった。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
チェンジズ ( デビッド・ボウイ )☆1
川に浮かあぶくはたえず変化していく
だけどけして流れを離れることは無い
永遠ではないこの世界は僕の視界から
こぼれ落ちるけど日々はいつも同じさ
<中略>
もうすぐ僕たちは年をとっていくのさ
時の流れは僕たちをみな変えてしまう
でも時を遡ることなんかできないのさ
(無理矢理訳したので間違ってたらごめん)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
自然界に生きる人間としてのありようには変わりがない。でも、もう一度考え、すべてを問い直すときが来たのかもね。
僕たちが信じていた「原子力」という先端技術が、いま僕たち自身に襲いかかっている。僕たち人類まだはそれを「道具」として使いこなすほど賢くはなかったんだね。無知で無力であることを隠して、原子力という火をともし続けてきたわけだ。
たった40年間という短い時間に、僕たちが享受した、原子崩壊のエネルギー。僕たちが味わったひとときの経済的繁栄。でも、そのつけは甚大。放射性物質はこれから100年もの間、僕たちの子供たちの頭上に降り注ぐ。その罪をつぐない日本の自然をもとに戻すために、時を遡ることはできない。
原子力だけではないでしょ。ガン化の危険もあるiPS細胞。引退するスペースシャトル。被災地で無力化するオール電化。先へ先へと進んでさえいれば、僕たちはこれで進歩していたというのか。まったく間違った方法を選んでいただけかもしれない。金融市場崩壊。あふれる自殺者。未来を信じることができず、夢を描くすべを失った若者。これが、僕たちの一時的繁栄の結果だ。
雄大な時間という川の流れは変わらないけれども、僕たちというあぶくは形を変えつつ進むしかない。いつかもうひとつの別の答えを見つけるまで。
僕たちはいま、神の拳が振り下ろされる神話を生きているのかもしれない。
チェンジしなければ。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
☆1: Changes ( David Bowie )